Twilioでの音声通話を録音(英語)またはビデオ通話を録画(英語)する場合は、特定の法律/規制を順守する必要があります。通話記録(録音・録画)に関連する法律や規制の概要と、本書で広く使用する「通話」という用語は、離れた場所にいる2人以上のユーザー同士が、電話、VoIP、動画アプリケーションなどを使用して音声で通信することをいいます。
注: 本書に記載されている情報は、法律上の助言ではありません。Twilioを使用して送受信する通話が、適用法すべてを順守しているかどうかについては、弁護士に相談することをお勧めします。Twilioの利用が、適用されるすべての法律と規制を順守しているかどうか、最終的にお客様の責任でご確認ください。詳しくは、Twilioの利用規約と利用規定もご覧ください。
(米国における)通話記録に関係する法律
米国では、通話の記録に適用される法律や規制が、連邦レベルと州レベルで存在し、カリフォルニア州の「Invasion of Privacy Act」などの法律が該当します。一定の連邦法や州法では、事前に、通話相手の少なくとも1名の同意を得てから、通話を記録することを求めています。州によっては、通話相手全員の同意を得てから通話を記録するよう求めている法律もあります。米国以外にも、EUなど、事前に通話相手の同意を得てから、通話を記録することを求めている法律があります。
同意を求める法的要件に加え、場合により、通話相手の所在地だけでなく、ビジネス分野固有の法律や業界の標準に応じて、通話記録の利用方法、開示方法、安全性確保の方法を規制する法律もあります。
通話相手が複数の州や国にまたがる場合や、所在地が不明な通話相手が一人でもいる場合は、通話の記録に適用される法律を判断するのは容易ではありません。以上のような理由から、通話記録の具体的なユースケースに適用される法律と規制をよく理解し、法を順守して通話を記録することが重要です。
通話記録に関するベストプラクティス
同意を得る: Twilioでは、適用法をすべて順守するようにお客様にお願いしています。同意を求めている法律にもいろいろあり、通話相手の所在地を特定するのは難しい場合もあります。こうした理由から、同意を要求している法律のうち最も厳格な法律を順守し、事前に、通話相手全員の同意を得てから、通話を記録することがベストプラクティスです。その際、通話録音の対象となる通話相手全員に対し、明確に説明することがベストプラクティスです。記録開始に先立ち、通話相手に対し、通話の記録/保存には第三者の通信プロバイダー(Twilioなど)を使用していると明らかにすることもベストプラクティスです。
同意を得るための適切な方法は、ユースケースにより、、また、録音しようとしている通話相手との関係により、異なります。多くのお客様が実施している一般的な方法は、通話記録の開始前にメッセージを再生し、通話を記録することを通話相手に説明するというものです。Twilioを使用した通話フローでは、TwiML <Say>または<Play>という動詞を使用してこのような方法を組み入れることができます。ただし、これは同意を得る方法の1つにすぎません。お客様のユースケースに最適な方法は、お客様固有の状況により異なるため、お客様のビジネスに詳しい弁護士に相談して決めるようにしてください。
どのようにして同意を得たかを適切に記録する必要があります。また、通話相手が録音に同意しない場合、録音してはいけません。Twilioには、音声通話記録用のコントロール(英語)が用意されており、音声通話記録の開始、停止、一次停止、再開ができます。
Twilioを使用して通話話相手との会話を管理、記録する場合(Twilio Proxyなど)、詳細についてはユーザー間のコミュニケーションを管理・記録するためのベストプラクティス(英語)を参照してください。
保存、使用、共有: 通話記録に含まれている情報の機密性レベルに応じ、通話記録の安全を適切に確保してください。コンソールの[Voice Settings](音声設定)ページからHTTP Basic認証を適用することにより、AccountSIDとAuthトークンを使用してメディアにアクセスするという方法があります。録音に、機密性が特に高い情報が含まれている場合は、Twilioの音声通話記録暗号化機能(英語)をご利用ください。Twilioによる音声通話記録を、公開鍵により暗号化することができます。セキュリティ機能について詳しくは、製品のマニュアルをご覧ください。
さらに、録音した内容(または通話相手から入手した情報)を何に使用し、誰と共有する予定かについて通話相手に説明してください。例えば、プライバシーに関する注記にこのことを記載し、一般に公開するという方法があります。さらに、録音内容を使用するか誰かと共有する場合は、通話相手に説明した方法かつ適用法すべてに沿う方法に限定するようにします。最終的に、必要のない通話記録を保持しないようにしてください。通話記録の削除に関する詳細については、通話録音のダウンロードと削除(英語)をご覧ください。